1)みなさんの労働組合にしよう
今日の日本には2万5千以上(組織率17.5%)(2014年現在)の組合があります。組織率はピークの半分ほどに低下してしまいましたが、その内部にはまだいろいろな問題を抱えています。その最も大きなものは日常の組合活動に対して関心が薄く、役員(委員)任せになっていることです。
前にも述べたように、労働組合は自分たちがお金を出して運営している自主的で組合員全員の組織です。このために闘争時だけではなしに日頃からみなさん一人ひとりが自覚と誇りを持ち、進んで組合活動に参加して頂きたいのです。また、活動のなかで疑問があれば質問し解明するよう心がけてください。
2)組合民主主義を尊重しよう
労働者は、基本的にその利害関係は一致していますが、具体的な問題になると考え方は違ってくる場合があります。
たとえば賃上げでは意見が一致しても、配分では男性と女性、青年と年配者では意見が違ってきます。若い人は「同じ仕事をしているのに賃金にさがあるのはおかしい」と考え、年配者は「家族を抱え物価高で生活は苦しい」と考えているでしょう。こうした意見、考え方の違いは、その人の置かれた立場や生活環境の違いを反映しています。そこで民主的な討議によって、お互いの意見や考え方を理解し合うことが必要ですし、妥協しあって統一要求をまとめ、方針をたてていくことが必要なのです。労働組合は、個人の考え方まで、ムリに統一するものではありませんが、お互いに相手のことを認め合い、尊重し合うことが必要です。その上で労働者としての共通の目標で統一しましょう。
組合民主主義とは、十分な討議によって、意見の違いをなくしていき、一度決まったことに対しては、全員がこれに従うということです。こうした積極的な組合民主主義こそ組合の統一と団結を強め、労働組合を生き生きとしたものにしていくでしょう。